仕込み

      酵母菌
焼酎の香りが最も左右される「もろみ」。
もろみは酵母の働きで活発に発酵します。酵母の役割は、ブドウ糖をアルコールに変える事。いよいよ焼酎らしい香りがしてくる工程です。
しかしもろみは発酵過程で大量の熱を発生させます。この発熱が過剰であると酵母菌が大きなダメージを受け、良い香りを引き出す事ができません。蔵人達が最も神経を尖らせる工程です。蔵人はもろみを均一に発酵させる為、専用の「櫂棒(かいぼう)」という道具を使い、もろみを均一に混ぜる「櫂入れ(かいいれ)」という作業を蔵人の手で毎日行います。
そして酵母菌が最も活動しやすい環境を保ってあげる為、スターフィン(水を通してもろみを冷却する為の装置)等を使用し、もろみの温度を最適な状態に維持します。
この日々の丹念な作業がとても重要な役割を果たし、もろみに華やかな香りを与えます。
「おいしい焼酎を造りたい」。
その気持ちが蔵人達をもろみへと向かわせます。

製造を担当する長友。普段は職場のムードメーカーで明るい彼も焼酎造りの時は一変!まさに「蔵人の目」をしています。そんな彼に話を聞いてみました。

「特に気をつけているのは温度管理です。温度管理といっても焼酎造りには、麹の温度、もろみの温度、蒸留の温度などたくさんの温度があります。その他にも製麹機内部の温度や蒸留の際の冷やし水の温度などもあります。
しかしどの温度も焼酎を製造する上では大事なものです。
当社の主力製品の多くは減圧蒸留ですが、減圧蒸留の焼酎はもろみの育ちがそのまま表れますので、あらゆる温度に目が離せません。夜中に蔵に行って状態を確認する事もあります。
でも蒸留した焼酎の香りで『いい焼酎ができた』と仲間達と一緒に実感できたときの喜びは何とも言えません。
そして、焼酎を飲んでくれたお客様の『おいしい!』という言葉を聞いた時が、我々「蔵人」がやっと安心できる焼酎造りの最後の工程だと思っています。お客様に喜んでもらえる事は我々「蔵人」の喜びです。その喜びの為に我々は一瞬たりとも焼酎造りの手を休める事はできません、だから頑張れるのです。
お客様の『おいしい!』という言葉が仕事のエネルギーですね!」